天ぷらを揚げていて油が顔に跳ねた、うっかり熱い鍋に手が触れてしまった、このような経験は家事をやっている人ならだれでも1度や2度はあるでしょう。火傷をすると、「跡は残らないだろうか」と気になります。女性が顔に火傷を負った場合は、尚更でしょう。跡を残さずに、きれいに治す方法はあるのでしょうか。
皮膚が赤くなる程度であれば、通常は3~4日で赤味がひいて跡を残さずに治ります。しかし、色素沈着を残したりシミになることもあります。これらを回避するために。できることはやりましょう。
まずは火傷を負った時の対処です。15分くらいは水で冷やしてください。そして消毒はしないで、ラップに白色ワセリンを塗って傷にのせて巻くかテープで留めます。消毒をしないと聞くと驚かれるかもしれませんが、消毒薬は大切な皮膚の細胞まで殺してしまうので、使いません。
傷口をラップで巻いたらジュクジュクするのではないだろうか、と思うでしょう。しかしこれは、湿潤療法と言われる新しい火傷の治療法で、傷口を乾燥させないことがポイントです。ジュクジュクするのは、滲出液が出ているからです。かってはこの滲出液が良くないものだと思われていました。
しかし近年、この滲出液の中には傷を治す大切なものがたくさん含まれていることが判りました。ジュクジュクした滲出液こそが、傷を治す物質だったのです。そして、ビタミンCを十分に摂りましょう。皮膚の成分であるコラーゲンの生成を促してくれます。
タバコを1本吸うと1日に必要なビタミンCの半分が消費されますので、禁煙は不可欠です。また、紫外線は色素沈着を促すので、紫外線対策をしっかりと行うことも重要です。水ぶくれができるⅡ度や、真皮にまで達するⅢ度の場合は、跡が残ってしまいます。特にⅢ度では、ケロイド状になることもあり、元通り奇麗な皮膚に治療するのは困難だと言えます。
しかし、このようなケースでは形成外科で治療するという方法があります。形成外科がある大きな病院では、当然、救急医と形成外科が連携を取って治療してくれるでしょう。昔の火傷の跡が気になるという場合は、形成外科や美容外科で治療ができることもあります。まずは、どのような仕上がりになるのか写真などを見せて貰って、カウンセリングを受けてみると良いでしょう。